サステナブルなアイデアに向けたイノベーションの推進。 再生可能ソリューションの発展を支援。
Google は、世界最高水準のエネルギー効率を誇るコンピューティング インフラの構築に注力するとともに、ウォーター スチュワードシップを推進し、コミュニティの電力網を強化することで、2030 年までに排出量実質ゼロを達成するというグローバル目標の実現を目指しています。

排出量実質ゼロに向けた重点的な取り組み

オクラホマ州ミンコにある風力発電所は、同州メイズ郡にある Google のデータセンターに電力を供給しています。
事業活動とバリュー チェーン全体で排出量を削減
データセンターは、Google の排出量実質ゼロに向けた取り組みにおいて重要な役割を果たしています。
私たちは、データセンターの建設に必要な材料の削減に加え、グリーン コンクリートや再生可能ディーゼルなどのサステナブルな材料の活用を通じて、建設時の温室効果ガス排出量の削減に積極的に取り組んでいます。
高い目標を掲げ、自社の事業全体でネットゼロを追求することで、業界の先駆けとなることを目指しています。
データセンターにおける水資源の最適利用と技術革新の推進
気候変動に配慮した施設冷却アプローチ
パソコンと同様に、データセンター内のサーバーも発熱するため、安全かつ効率的に稼働させるには冷却する必要があります。水冷は熱を除去するエネルギー効率の高い方法であり、多くの場合、チラーやエアコンなどのエネルギー消費の大きい冷却手段よりも持続可能な選択肢となります。各データセンター キャンパスでは、カーボンフリー エネルギーの利用可能性と、淡水以外の選択肢も含む責任ある水資源の調達とのバランスをとるなど、地域の環境状況に応じて冷却方式を選択することで、現在および将来にわたる全体的な気候影響を最小限に抑える取り組みを行っています。

ベルギー、サン=ギスランの夕日に照らされた、Google のデータセンターの貯水槽と冷却塔。
データセンターにおけるウォーター スチュワードシップ
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気候変動に配慮した冷却戦略
気候変動に配慮した冷却は、地域の水文特性と排出係数に基づいて冷却方法を決定する際に、さまざまなトレードオフのバランスを取る Google のアプローチです。私たちは、地域の専門家からの助言を得ながら、多面的かつデータに基づく分析手法を使用して、新規および既存の全データセンター拠点に最適な冷却方法を特定します。
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Google のデータセンターにおける責任ある水の使用
責任ある水利用とは、水源がサステナビリティの観点から高リスクと評価された場合に、代替的な解決策を追求することを意味します。アリゾナ州メサでは、地域の水源が枯渇や水不足の深刻なリスクに直面していると判断されたため、データセンターの冷却ソリューションに空冷を採用し、地元の流域への影響を最小限に抑えることにしました。
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地域の流域を健全に保つための投資
Google は 2030 年までに、データセンターおよびオフィス全体で平均消費量を上回る淡水補充を達成することを目指しています。地域でのウォーター スチュワードシップの取り組みでは、協働と業界のベスト プラクティスを基盤とし、水資源に関する共通の課題に対処して、データセンターが置かれたコミュニティの流域における水資源保護と健全性について測定可能な改善状況を追跡します。

澄んだ水面に映る、オランダ、エームスハーヴェンにある Google のデータセンター。
代替冷却方式
33%
2023 年、Google のデータセンター キャンパスの約 3 分の 1 が、飲料水以外の水源または空冷方式を使用しました。
すべての人が利用できる、より信頼性が高くて経済的、かつサステナブルなエネルギー システムを構築

オランダ、エームスハーヴェンにある Google のデータセンターの近くに設置された風力発電機。
Google は、リーダーシップの発揮、革新的な技術の導入、関係者との協力を通じて、サステナブルな電力負荷の成長を索引しています
電化、産業の成長、デジタル化は、Google のプロダクトとサービスを含む世界中の経済やコミュニティに利益をもたらす一方で、新たな電力需要も生み出しています。この需要を、信頼性と経済性に優れたクリーンなエネルギーで満たすことは、私たちにとって最大の課題であり、同時に大きな機会でもあります。
私たちは、データセンターのエネルギー消費を、責任を持って管理し、資本、専門知識、技術を活用してエネルギー エコシステムを強化することに取り組んでいます。Google の成長を続けるインフラは、21 世紀の経済を牽引すると同時に、電力システムの変革も促進し、私たちが事業を展開するコミュニティや電力網に幅広い利益をもたらすものと期待できます。今こそ、未来のために、そしてすべての人のために、より良いエネルギー システムを構築するときです。
エネルギー効率に優れたデータセンターで業界をリード
私たちは、最小限のエネルギー消費で最大限の検索処理能力とサービスを提供できるよう、世界で最もエネルギー効率に優れたコンピューティング インフラの構築を目指しています。Google のデータセンターは、AI の活用、スマートな温度・照明管理システムの導入、電力損失を最小限に抑えるための配電方式の再設計、さらには各拠点特有の革新的な取り組みと連携により、世界トップクラスのエネルギー効率を実現しています。

ベルギーの北海沖洋上風力発電所にある風力タービン。Google 初の洋上風力発電に基づく電力購入契約(PPA)によって実現しました。
継続的な改善
1.8 倍
Google のデータセンターは、一般的な企業データセンターを約 1.8 倍上回るエネルギー効率を達成しています。
Google の全データセンターの電力使用効率(PUE)の平均
Google のデータセンターは、2008 年に数値を公表し始めて以来、全データセンターの PUE が大幅な改善を続け、世界で最もエネルギー効率に優れたデータセンターの一つとなっています。

よくある質問
2021 年、Google は 2030 年までに全事業およびバリュー チェーンで排出量実質ゼロを達成するという目標を掲げました。私たちのアプローチは今後も進化し続けるでしょう。そして、AI が将来的に環境に与える影響など、複雑で予測が困難な大きな不確実性を乗り越えていく必要があります。また、現時点では、いくつかの重要な世界的課題に対する解決策は存在しておらず、より広範なクリーン エネルギーへの移行に大きく依存することになるでしょう。
Google のビジネスと業界が進化し続けるのに伴い、Google の温室効果ガス(GHG)の総排出量は、絶対的な排出削減目標に向けて減少する前に増加することが見込まれています。
ネットゼロ目標では、2030 年までにスコープ 1、スコープ 2(市場ベース)、スコープ 3 の合計絶対排出量を 50% 削減(2019 年度を基準に比較)し、残りの排出量を相殺するために自然を基盤とした、またはテクノロジーを基盤とした炭素除去ソリューションに投資することで、2030 年までに全事業およびバリュー チェーンで温室効果ガス(GHG)排出量をネットゼロにすることを目指しています。Google は、絶対的な排出削減目標の認定を受けるために、Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)に正式に参加しています。地球へのプラスの影響を最大限に高めながら、Google の定義が一般的な整合性を維持するよう、世界基準の進化を積極的にモニタリングしていきます。
カーボンフリー エネルギー(CFE)とは、二酸化炭素を直接排出しないあらゆる種類の発電のことを指します。これには太陽光、風力、地熱、水力、原子力が含まれます(ただしこれらに限定されません)。サステナブル バイオマスと二酸化炭素回収貯留(CCS)は、状況に応じて個別に検討される特殊な例ですが、多くの場合、これもカーボンフリー エネルギー源と見なされます。
Google は、世界最大のクリーン エネルギー購入企業であり、クリーン エネルギー技術を推進するリーダーでもあります。2017 年には、世界規模で年間電力使用量の 100% 相当の再生可能エネルギーを購入した初の大手企業となり、以来毎年これを達成しています。そして 2024 年には、過去最高の約 4 ギガワット(GW)のクリーン エネルギー発電容量を購入する契約を締結しました。
気候変動対策の最初の 20 年間の進歩を基に、2020 年にはこれまでで最も野心的取り組みとなる「30 年の気候変動対策」を開始しました。私たちは、2030 年までに全事業およびバリュー チェーンで排出量実質ゼロを達成するという大きな目標を掲げています。その実現を支えるため、事業を展開するすべての電力網で 24/7 カーボンフリー電力(CFE)の利用を目指しています。
また、責任ある水の使用の実践と廃棄物を最小限に抑える取り組みを行うなど、世界で最もエネルギー効率に優れたコンピューティング インフラストラクチャの構築を目指しています。Google のデータセンターは世界でも最も効率的なデータセンターの一つであり、Google は電力、水、資材の使用を最適化する取り組みを継続しています。2023 年、世界中の Google データセンターの平均年間電力使用効率(PUE)は 1.10、業界の平均値は 1.58 でした。つまり、Google データセンターでは、IT 機器の間接的なエネルギーの使用量が業界平均の 17% ほどに抑えられています。
詳細については、最新の環境報告書をご覧ください。
Google は、市場に応じてさまざまな方法で新しいクリーン エネルギー プロジェクトから直接電力を購入しています。その方法には、長期電力購入契約(PPA)による直接契約、電力会社や開発会社との連携によるカーボンフリー エネルギー(CFE)の購入と供給、エネルギー プロバイダとのエネルギー供給契約の締結に加え、電力網における追加プロジェクトを可能にするための再生可能エネルギーへの的を絞った投資などが挙げられます。詳細については、2024 年 Google 環境報告書(p. 36)をご覧ください。
Google は、拠点となる地域社会において積極的な一員であるよう尽力しています。Google にとって、地域社会のリーダー、地元の公共事業、地域の組織との緊密な連携は、有意義なコミュニティ支援およびグローバルな支援の機会を特定するための優先事項です。
Google のデータセンターでは、サーバーの冷却、室内温度の調整、プロダクトの継続的な稼働などで、水が重要な役割を果たしています。実際、水冷は空冷に比べて、エネルギー消費と関連する二酸化炭素排出量を削減できることがわかっています。電力網の脱炭素化にはまだ時間がかかりますが、Google は特定の地域でエネルギー効率を向上させるために水冷の使用を継続していきます。このトレードオフにより、データセンターのウォーター フットプリントが増加することを認識したうえで、私たちは当初から新しい拠点での責任ある水の使用と水の還元を優先しています。


水に関する専門家チームとの協議のもと、Google はコンテキスト ベースの査読済みの水リスク フレームワークを開発しました。このフレームワークは、新しい拠点における地域の流域のリスクを評価し、特定の淡水の水源を気化冷却に使用するかどうかの意思決定を支援します。
Google は、ウォーター スチュワードシップ プロジェクトへの投資を通じて、事業を展開する流域や地域社会の水質と生態系の健全性を「回復」または改善することを目指しています。